プロジェクトの概要
パソコンパーツメーカーによる直販EC (Amazon / 楽天市場) で販売する新商品立ち上げにあたり、カタログ制作とデータドリブンマーケティングを担当しました。
EC販路上で一般消費者様は海外メーカーの低価格帯商品に流れやすい傾向がありました。その状況に対しクライアント様は同等のスペックと価格でラインナップを揃え、国内メーカーによる品質やサポートの安心感で差別化し、シェア獲得を図る計画を進めておりました。
ECという市場は実店舗と異なり、数多くの商品が存在します。売れるようにするためには商品力が大前提としてあるものの、商品の強みをうまく伝えるクリエイティブ力や、露出戦略も不可欠です。
そこで、以下の二つを提案しました。
- 競合する海外メーカーとの比較で、強みの訴求と同質化をそれぞれ満たすクリエイティブの企画・制作ディレクション
- 継続的なPDCAにより成果を最大化させるデータドリブンマーケティング
その結果、ECの購入転換率(CVR) は導入前月比 1.3倍となりました。
課題
- 新商品の立ち上げにあたり、カタログの作成が急務。
- EC周りの効果測定が整っておらず、またノウハウも乏しい。シェア目標に対するアクションの組み立てが難しい状況。
対策1:カタログ企画・制作ディレクション
まず、クライアント様へヒアリングを通じ、ブランドやプロダクトの特徴を把握しました。同社は40年以上の歴史を持ち、ものづくりへの強いこだわりがありました。このこだわりが競合との差別化要因となるかを調査・検討しクリエイティブに落とし込みました。
さらに、ターゲット層が商品スペックを基に自ら購入判断をする情報リテラシーの高い層であることがわかったため、競合と同様のスペック訴求を行いつつ、他の面での差別化を意識して取り入れました。
クライアント様や競合の状況を理解した後は、営業における定石のトークスクリプトに訴求内容を落とし込み、カタログ内の情報開示の順番を工夫して購入時の納得度が高まるよう工夫しました。
対策2:データドリブンマーケティング
ECの売り上げUPのためには、カタログの改版だけでなく導線整備も同時に進めていく必要があります。集客力を上げるために必要なタスクの洗い出しと、優先順位をつけて順番に実行するようサポートしました。
アクセス数が増えると、購入に転換する人の割合が減ってしまうことが起こりがちですが、そうならないよう下記の点を工夫しました。
- マインドフロー上の購買に近いフェーズからてこいれする
- 購入の転換率を定点観測し、施策に対してどれくらい数値にインパクトがあったか確認しながら次の施策に取り組む
定点観測はBIレポート生成ツール LookerStudioを活用しました。
このように進めることで、この商品におけるベストプラクティスを見出すことができました。
効果
ECの購入転換率(CVR) 導入前月比 1.3倍
使用技術・ツール
- LookerStudioとGoogleスプレッドシートでBIレポート生成
- GoogleAppScriptで楽天市場ランキングAPIを自動取得し定点観測
- GoogleAppScriptでKeepa APIからAmazon売れ筋順位を自動取得し定点観測
関与範囲
- カタログ掲載のクリエイティブ企画立案、制作ディレクション
- データドリブンマーケティングの実施、レポート作成